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作り方と原理

ポン菓子の作り方は、トウモロコシの実の中の水分を気化・爆発させて作るポップコーンと原理的には似ているようです。ちなみに米や栗など穀類が主材料の和菓子「おこし」の作り方とは殆ど似ていません。

基本的には「穀類膨張機」(ポン菓子製造機・ポン菓子機)と呼ばれる製造機を用いて作ります。

作り方は、ごく簡潔に書くと、だいたい下記のような流れになるかと思います。

  1. 機械の釜にお米などの材料を投入し、釜を電気あるいはLPガスで熱しながら回転させます。
  2. すると釜の内部の温度と圧力が上昇していきます。そしてお米の水分が蒸発していきます。
  3. 製造機の圧力計が規定の数値に達するまで待ちます。
  4. 開口部(爪・バルブ)を勢いよく器具で叩いて、お米を釜の外部へ開放してやります。
  5. このときに気化した水分の「ポン!」というもの凄い爆裂音が鳴り、何倍にも膨張したお米が飛び出してきます。
  6. あとは、膨らんでサクッとしたお米に、砂糖蜜などで味付けをすると出来上がりです。

ポン菓子の材料については、お米の他にも、麦、マカロニ、玄米、トウモロコシ、栗、黒豆など、 色々な穀類で作られています。味付けについては砂糖蜜が最もポピュラーかと思いますが、 ゴマをふりかけたり、コーヒー味、チョコレートでコーティング等、昔と比べたらバリエーションが豊富になってきています。 スーパーなどに行くと、ポン菓子系のお菓子が並んでします。

自宅での手作りは?

自宅のフライパンでポップコーンが作れるように、自宅のキッチンでポン菓子の手作りが出来るのでしょうか?

圧力鍋を使ってみる方法が考えられますよね。試した経験は無いのですが、圧力鍋は回転させる事が困難であり、 また充分な火力や圧力が確保出来るかも問題です。私見としては、自宅での手作りは、ちょっと難しいのではないかな、 と思います。

但し、市販のポン菓子をアレンジしてオリジナルのお菓子を作る事は出来ます。 フライパンを使ったレシピなど、アイデア次第で「我が家のオリジナル・レシピ」が考案出来そうですね。

製造機の販売

穀類膨張機(ポン菓子製造機・ポン菓子機)は製造販売がなされています。代表的なものとしては、日本でこのお菓子の製造方法を発案したと言われている吉村氏((有)ポン菓子機販売)の、「吉村式ポン菓子機」があります。大型の機種のほかに小さなミニタイプ機もあります。動力としては、電動とガスがあります。価格は数十万円します。なお、ネットオークションに中古機が出品されている事もあります。

地域の町内会や、サークル等の団体の器具備品として機械を購入して、イベントやお祭り・文化祭などの時に実演するのも楽しそうです。子供たちは珍しがって喜ぶのではないでしょうか。

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レンタル

ポン菓子機は、レンタルも行われています。また、出張して実演販売・出店・指導を行ってくれる業者さんもいます。 JAや米穀関連の団体が所有していて、機械の貸し出しを行っている場合もあります。

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ポン菓子の想い出

ポン菓子は、幼い頃によく食べた記憶があります。その当時、我が街の小学校や市場の周辺や家の近所に定期的に 販売業者さん(子供の頃には「ポン菓子のおじさん」と呼んでいました)が、製造機(釜)を搭載した軽トラのような自動車で現れて、 その場で製造・販売していました。いわゆる行商と言いますか、移動販売・実演販売です。販売タイプにも色々とあって、 材料を全て自前で用意している業者さんもいれば、家から持参したお米で作ってくれる業者さんもいました。


街のポン菓子屋さん。14秒あたり(大爆発)にご注目。

それにしてもあの音は大音量でした。製造機を積んだクルマは、正確に計測した訳ではありませんが、 月に1回は家の近所にやって来ていたと思います。しかし「ポン菓子のおじさん」は、いつしか街にやって来なくなりました。 「ポン!」の大音量が迷惑であるとか、新たにこの仕事を始める人が居なかったとか、色々と要因はあったのだと思います。

1980年代に入ると、コンビニエンスストアやスーパーマーケットが急速に増え、いつでも好きなお菓子を買える様になった事や、 お菓子のバリエーションが増えた事なども関係しているのではないかと思います。そして、日本人の味覚的嗜好(特に子供)が変容したのかもしせん。

でも最近では、懐かしさやそのシンプルな味わいが見直されてきたのか、時折テレビなどのメディアでも取り上げられていますね。

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