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「昴-スバル-」について

黒木メイサさんは、モデルを経て現在ではテレビドラマ・映画・舞台、そしてCMや歌(CD)など、幅広いフィールドで活躍中のタレントであり、同所属事務所・同年齢で仲が良いとされる堀北真希さんと同様、将来を嘱望されている新進気鋭の女優です。その黒木さんが主演し、2009年春に、アジア一斉公開が予定されている映画が昴-スバル-です。

原作は、曽田正人氏のコミック(漫画)である「昴」(すばる)です。

1999~2002年頃にかけて週刊ビッグコミックスピリッツに連載され、熱狂的な人気を呼び高い評価を得た漫画でした。

その後「昴」は、2007年より【MOON(昴<スバル>ソリチュードスタンディング<ムーン>)】とタイトルを変えて同誌にて連載を再開しています。主人公をはじめドラマの諸設定は同様で「昴シーズン2」といった感じです。(2011.秋、連載完結)

「昴-スバル-」は、宮本すばるという名の少女が天才的なダンスの才能を花開かせて、世界的なプロのバレリーナへと成長していく過程を描いた物語です。紆余曲折あり葛藤・苦悩ありのバレエ・ストーリー。

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黒木メイサと主人公すばる

黒木メイサさん演じる宮本すばるの人格形成や、その後の進む道に極めて大きな影響を与えているエピソードがあります。それは主人公のすばるが、小学生時に受けたトラウマです。

その肝をごく簡潔にご紹介すると。

悪性の脳腫瘍で入院中の双子の弟を元気付けるために毎日病室で踊ってその日の出来事を伝えていたすばるが、だんだんと踊る喜びを覚え、バレエ教室へ通うなどしてもっと踊りたいと思うのですが、いつしか弟を疎ましく感じ、時には弟に対して、「いなくなればいい」といった暴言を浴びせたりするようになります。

そしてついに弟はこの世を去るのですが、死ぬ間際に「ごめんね」と、すばるに対して感謝の気持ちを述べていた事を、すばるは葬式の日に知らされ衝撃を受けます。

「自分がダンスに気を取られて没頭していたために弟の病状が悪くなったのではないか」

以前より罪悪感を募らせていたすばるは、いっそう罪悪感を覚え心に深い傷を負います・・・・・・

この子供時代の重要なエピソードを、映画はどのように表現しているのか、またメイサさんが心の内面をどのように演技で表現しているのかは注目すべき点です。

映画はアジア圏内で公開されます

映画「昴」は、2009年3月20日より全国公開されます。そして、アジア圏でも公開されますが、その地域の好みの傾向に合わせて、異なった編集を施して公開されるそうです。つまりこの作品には、数バージョンが存在する事になります。

メインキャストは、黒木メイサさん、桃井かおりさん、筧利夫さん、平岡祐太さん、前田健さん、愛華みれさん、映美くららさん、Araさん。

ちなみに衣装デザインを担当している黒澤和子さんは、黒澤明監督のお子さんです。

製作エピソード

監督・脚本は、中国人のリー・チーガイ(李志毅)氏(「君さえいれば 金枝玉葉(1994)」や「不夜城(1998)」他)、エグゼクティブ・プロデューサーは、「グリーン・ディスティニー」や「HERO」などの大作に関わってきたビル・コン氏です。

日中合作の映画で2005年より製作が着手されました。撮影が行われたのは2007年秋よりとの事です。アジアをマーケットを視野に入れている事と、物語をより国際的なスケールにする意図もあり、ロケは上海など国外でも行われています。また、原作にはない役も登場させるようで、すばるのライバルのバレエダンサー役として、韓国女優のAra(アラ)さんがキャスティングされています。

リー・チーガイ監督は、メイサさんを一目見て気に入り主演に選んだそうです。若々しくてダンスが上手な点や、上昇志向をきっちりと持っているところなどに覇気を感じたようですね。また、エキゾチックな美しさを醸し出す彼女独自の顔立ちに魅力を感じた部分もあるかもしれません。

ところで黒木メイサさんは、沖縄アクターズスクールに在籍していた事もあり、現代的なダンスはOKですが、バレエは初体験で、撮影に入るまでの数ヶ月間は、毎日のように数時間のレッスンを敢行したそうです。普通のダンスとは使う筋肉が違うそうで、はじめはちょっと大変だったとか。

また、すばる(黒木メイサさん)を指導する先生役として桃井かおりさんが出演していますが、実際に黒木さんにアドバイスをしていたそうです。ちなみに桃井さんは、少女期にバレリーナを目指していた頃があり、英国ロイヤルバレエアカデミーへの留学経験があります。

本格的な「バレエ映画」は、日本では珍しいのではないかと思います。黒木メイサさんのバレエダンスのシーンやその躍動感を、どのように映像表現しているのか大変興味深いです。

見どころ

(2009.3 記)

映画「昴」に関するテレビの特集番組を観ました。原作者の曽田正人氏は、この作品を世界の人たちに読んで欲しいと願いながら描いているそうですが、今般の映像化を大変喜んでいるようです。

多くの方が持つであろう大きな関心事は「黒木メイサさんはバレエ・ダンサーに見えるだろうか?」だと思います。つまり、 「リアル」もしくは「リアリティ」の問題ですよね。

個人的には、普段よりバレエにあまり馴染みがありませんので、正直なところ黒木さんがバレリーナらしいかどうかはよく分かりませんが、 予告映像のメイサさんの肢体は、とても美しく映っていました。 本編の中で、どのくらいの時間が踊りのシーンに割かれているのか興味を感じます。

また、原作漫画のファンの方たちにとっては、どのように実写化されているのか、期待と不安の入り混じった気持ちでは無いかと思います。 私も原作コミックを楽しんでいた1人なのですが、たとえば宮本すばるに関しては、少なくとも見た目・容姿は、 原作とは異なります。だからこそ、コミック読者としては、「もうひとつの昴」を見てみたくなりました。

主役の宮本すばる役は、広くオーディションを行い選ばれた・・・とされています。 だとすると、プロの方、実際に長年バレエを学んでいる方たちも応募された事だと思います。 その中で、バレエ未経験の黒木メイサさんが選ばれた事については、当然の事ながら様々な意見や憶測があるかと思います。 メイサさん本人も、バレエについては、精神的にきつくプレッシャーを感じていたと、スピリッツ誌での対談で語っていました。

そこで想起されるのが、【ダンス邦画】として評価が高い作品「Shall We Dance?」です。ヒロイン役には、プロのバレエダンサーである草刈民代さんが抜擢されましたが、演技に関しては殆ど未経験でした。 つまりある意味、「昴(黒木メイサさん)」とは逆パターンでした。

なお、エイベックスが映画「昴 スバル」の製作に深く参画しており、倖田來未さん、東方神起、富田ラボさんといった、エイベックス・グループの所属アーティストが音楽を担当しています。

元タカラジェンヌであり、宝塚歌劇団のトップスターだった愛華みれさん、映美くららさんが出演している事も、個人的な見どころ・楽しみのひとつです。

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