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婚活について

いつしか就職活動が「就活」と略され一般化しだした頃、何でも省略する時代になったな、と思うと同時に、何かしらの時代の移ろいを感じたものですが、最近では「より良い結婚をするために自ら能動的な活動をする事」、すなわち結婚活動を略して「婚活」と呼ぶ事があるようです。

2008年春の連続ドラマのタイトルにもなり一部で使われ出した「アラフォー」(アラウンド40)と同様に、どれだけ社会に浸透するかはまだ未知数ですが、徐々に話題になっているそうなのです。漠然としたある現象や状況を表現するのに丁度適している(キャッチーである)と考えるマスコミの力も働いているのかもしれません。「婚活」はテレビや新聞、ネットなどのメディアで取り上げられています。

そもそも「結活」は、山田昌弘氏(社会学者・2008現在は中央大学文学部教授)と、白河桃子氏(少子化ジャーナリスト・フリーライター)の共著である『「婚活」時代 (ディスカヴァー携書 21) 』が脚光を浴びた事により流通し出した言葉のようです。パラパラっと目次を見てみたところ、なかなか興味をそそられる項目が並んでいます。男女共、参考になる本ではないかと思われますが、特に女性の方へ向けてのメッセージのように思われます。

かつて・・・そうですね、確か1980年代には女性の婚期をクリスマス(ケーキ)にたとえて、25歳を超えると価値が下がるといった考え方がありました。しかし現在においては、そのような考えをお持ちの方は、かなり少数派ではないかと思います。

データ的に見ても、厚生労働省の「人口動態統計」によると、1985年度には、男性28.2歳・女性25.5歳だった平均初婚年齢が2007年度には男性30.1歳・女性28.3歳に上がっています。この数値には地域差があり大都市部の方がより高くなります。たとえば東京都は男性31.5歳・女性29.5歳です。地域によりバラつきはあるものの、全国平均的に初婚期が高齢化しています。晩婚化(そして非婚化)の進行には、男女平等性や個人主義の深化、高学歴化、経済的格差、家族制度、少子化・子育て問題、恋愛コミュニケーションの変容など、幾つもの社会的要因と個人的要因とが関係していると考えられています。

結婚活動に関する女性のポジティブ化

ところでブログを検索してみますと、婚活という言葉は、男性よりも女性の方が多く使われている傾向にあるようです。女性の方により多く「積極的に結婚のチャンスを作ろう」と考えられている方が多いのかもしれません。そしてブログ記事からは、能動的な結婚活動をポジティブに考えている女性の方が増えてきている雰囲気が感じ取れます。

積極的に結婚のチャンスを得るためには、出会いの場を増やす必要があります。どのような婚活の方法があるか列挙してみますと、伝統的な見合い、結婚相談所(パートナー紹介所)の利用、お見合いパーティ、ウェブサイトの利用、合コン、社会人サークルへの参加、友人知人の紹介、職場で・・・などなど、多岐に渡ります。結婚相談所は、女性の方へのサービスが充実している場合が多く見られるようです。ちなみに上記のウェブサイトの代表例としては、エキサイト恋愛結婚(何らかの身分証明書による本人確認が必須)があります。

出来れば恋人を見つけてナチュラルな恋愛を経て結婚したいとお考えの方がいる一方で、理想の条件・状況を最重要視してお相手を探しておられる方も多数いるようです。人生を大きく左右する問題ですので、誰しもこだわりの理想や譲れない条件があるかと思います。パートナー探しは、どこらへんで折り合いを付けていくのかが問題になってきますね。

これから将来、日本においても同棲期間を経てから正式な結婚へと至るカップルが更に増える可能性があります。また、夫婦別姓の制度が導入される可能性もあります。そして社会的・経済的に、個人の自立性が更に重要となってくると思われます。そういった事柄を考えますと、結婚への考え方や結婚生活のスタイルがもっと変容していく可能性があるのではないでしょうか。

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